商品開発セミナー報告書(9月度プラザ21臨時定例会)
日時:平成12年9月28日(木)16時〜18時 主催:東京都異業種交流プラザ21・イカリ消毒株式会社 会場:イカリ消毒株式会社 本社(新宿) 参加者:合計25名(会員13名、IG−netTOKYO会員7名、一般1名、イカリ消毒2名、そ の他2名) 講師:帯広畜産大学名誉教授、産業クラスター研究所所長 美濃羊輔先生 演題テーマ「農畜産業界に必要な環境技術」 挨拶 イカリ消毒社長 黒澤社長 プラザ21 津屋会長 紹介:美濃羊輔 昭和12年2月出生 40年東京大学理学部卒業    平成12年3月まで 初代共同センター長 帯広畜産大学退官 現在 名誉教授 産業クラスター研究所を開設 テーマ:「農畜産業界に必要な環境技術」 はじめに 北海道は石炭産業から始まり,水産・農産業が続き,加工とは無縁だった. ↓ しかし、この本州の産業をさせる資源の供給元に徹したことが、日本の経済発展につ ながった. ↓ そのため、北海道では物を加工する技術が定着していない. 道外からみると北海道は経済・技術的に自立していない. ↓ 北海道は,道外に迷惑をかけないように,経済・技術的に自立を目指す.    そこで ↓ 道外企業に道内企業の技術指導をお願いしたい. 本州の企業と一緒に仕事をしていきたい. ↓ 結果として,北海道の技術力が上がり自立できる. しかし,無料でというわけにも行かないので,本州にも何らかの利益を与えていかな ければならないと考えている. 北海道の抱えている問題について 1. 家畜糞尿問題 家畜糞尿問題は農業では最大の問題である. 4年後(H16年11月)には,法律が変わる. どのように変化するか. 右図に示したとおり,現在では糞尿をそのまま野積みにしているが,今後雨水の防止 をすることで,糞尿の流出を防ぐことと,糞尿が地盤に浸透するのを防ぐために,不 透性の地盤を敷くことが,義務付けられる. これにより,地盤や屋根を作るのに,コストがかかるため酪農家が事業を継続できな くなる可能性がある. また,山積みになっている糞尿をどこに持っていくかも,問題となっている. 北海道の北部・南部では,酪農・乳牛が行われているが,畑は無いので畑を行ってい る南部にまで持ってこなければならない.それには輸送コストがかかりすぎてしま う.また,糞尿の成分は88〜90%が水分でできているので,水分を除去すれば輸 送コストが10%まで削減できる.しかし,水分を除去するための燃料コストがかか る.そこで,廃油を使って水分を除去する技術があればよい.しかも,廃油を処理す ることでさらに,お金も貰える. もし,糞尿を40〜60%にできれば,話が変わる. 固体部分と,液体部分を低コストで分離できれば,固体部分は堆肥として使えるので よい.しかし糞尿は1頭あたり60s/日なので,100頭で6t/日となる.これ に遠心分離装置を用いたとすると,1千〜1千5百万円かかってしまう.  現在,固体部分と,液体部分を分離する装置が開発され実用化されている. システムは右図に示すように,糞尿をタンクで発酵させ,それを素焼きにする.そう することで,水分を空気中に飛ばし,残った固体を堆肥として利用する.しかし,こ のシステムにも問題点がある.それは,冬にタンク内の糞尿が凍結してしまうこと だ.タンクには,スクリューが付いており,そのスクリューが回転しなくなってしま う.それを解決するために,タンクの下から空気を送り込み,凍結した部分を溶かし ている.また,低コストに空気を発生させるためにタンク内に藻を混入している.  次にデンプン廃液の悪臭の問題がある.  現状としては,ものすごい悪臭で普通の人が行くと,目眩が起こるほどだという. この悪臭除去は,薬品・微生物・オゾン(O3)を用いれば可能だが,高いコストが かかってしまう.このデンプン粕は10万tにもおよぶ.そこで,大規模にデンプン 粕から紙・トレー等を製造したい.そこでなにか良いアイデアはないか?どういった ラインでやればいいか,教えていただきたい. 現在,デンプン粕などいろんな粕から,堆肥を製造することはできている. また,堆肥を製造する際に,堆肥から発熱する温度と,外気との温度差から発電した いと考えている. 2.野生動物の問題 現在北海道では,鹿の害だけで約40億円/年 渡辺洋介氏(プラザ21会員・帯広畜産大学客員教授)の話 犬・猫を超音波で追い払う. しかし,動物には学習能力がある. 猿・鹿・猪・狐・北狐が問題になっている。 犬・猪・北狐は成功しているが猫はまだ無理. 藤森さん(帯広畜産大学客員教授・香料会社勤務)の話 牛の食べ物に香りを付けることで食欲を増進することに取り組んでいる. 動物は人間と違って、おいしいとか、まずいというコメントが返ってこないので苦労 する。 3.環境問題  ダイオキシン問題 ・ 肥料の袋(プラスチック) ・ ビニールハウスのシート ・ ラップフィルム ・ マルチフィルム(塩化ビニール)  これらを今までは約300℃〜350℃で燃やしていた.この温度はダイオキシン が発生しやすい. エンド型の考えではなく,フロント型の考えで. フロント型   ダイオキシンの発生しない物で作れば燃やしても大丈夫.しかし,北海道の技術 では新素材の開発が無理.  環境ホルモン問題   約3分の2が,農薬.   生物農薬の開発 質疑応答 Q タンクの凍化防止対策に石灰は? A phが上がってしまうので,畑に戻すという考え方からでは無理. Q 糞尿をビニールハウスに入れるとか,ビニールの上に載せておけばどうか?そう すれば運搬も楽になるのではないか? A 北海道では,ビニールが凍ってしまって,破れてしまうので無理. Q 北海道の土壌のダイオキシン濃度はどのくらい? A 濃度測定に大きな費用がかかるので測定できていない. Q 糞尿の野積みの状況は実際どんな感じですか? A 水分83%までは山積みになるが,それ以上になると積むのは無理. フ野積みの状況は実際どんな感じですか? A 水分83%までは山積みになるが,それ以上になると積むのは無理.